Nature Houseは割高なクリック課金型の翻訳の代替えとして、DeepL APIを導入。宿泊情報と利用者のクチコミを自然な翻訳で迅速にローカライズできるようになり、ヨーロッパ事業を抜本的に改善しました。DeepLの導入はサイト直帰率の低下とユーザーエンゲージメントの向上につながり、生物多様性の保護を理念に掲げる同社は、持続的な事業成長を促進できるようになりました。
Nature Houseは割高なクリック課金型の翻訳の代替えとしてDeepL APIを導入し、SEOの改善と事業拡大、およびコスト削減を実現。
DeepL APIを連携後、サイトの直帰率は5%減少し、宿泊リストのページ滞在時間が13%上昇。
翻訳を固定表示できるようにした結果、クチコミが言葉や文化の壁を越えてより的確に理解されるようになり予約が増加。収益拡大に伴い生物多様性プロジェクトへの寄付も増加。
Nature Houseは、人々に自然を楽しんでもらうことで生物多様性の保全に貢献することを使命としています。2人の兄弟によって設立されたNature Houseは、自然の中に佇む、ヨーロッパ各地のユニークな宿泊物件を掲載したプラットフォームを運営。持続可能性を重視し、収益の5%を生物多様性プロジェクトに寄付しています。寄付の割合は事業成長に合わせて増やす予定です。
オランダの宿泊物件が約9,000戸まで増え、ベルギーとドイツの物件に対する需要も増加する中、同社は事業拡大に合わせて拡張可能な翻訳ソリューションを必要としていました。そこで選ばれたのがDeepLです。翻訳を自動化できるだけでなく、宿泊者とオーナーの関係がフラットな、レンタルコミュニティのニュアンスを伝えられる翻訳性能が、DeepL採用の決定要素となりました。さらに、DeepLを導入することで、クリック課金型翻訳のコストを削減できることも採用を後押ししました。
Nature Houseのよう にサービスの提供を基盤とする企業にとって、利用者のクチコミは非常に重要です。サイト閲覧者がクチコミ情報のない宿泊物件に予約を入れる可能性は低く、予約が入らなければ、オーナーもサイトへの物件掲載を控えるようになります。収益機会が減るため、生物多様性プロジェクトが受けられる恩恵も小さくなります。
当時Nature Houseが直面していた課題は、投稿されるクチコミの言語がそれぞれ異なることでした。そのため、サイト訪問者の指定言語でクチコミを読めるようにすることがNature Houseにとっての大きな優先課題となりました。
ウェブサイトnature.houseに掲載されている物件はオランダが中心ですが、車で1、2時間の距離の近隣国の人にも多く利用されています。しかし近隣とはいえ、オランダ語が分かる利用者は多くありません。
これまで、利用者が指定言語でクチコミを読むためには、毎回「翻訳」ボタンをクリックする必要がありました。この仕組みでは、たとえ前回の閲覧時や別なブラウザタブで既に同じクチコミを翻訳したとしても、その都度、翻訳しなくてはなりません。利用者にとっての不便はもちろん、Nature Houseにとっても翻訳ボタンがクリックされる度にコストがかかるのは負担であり、それが同じクチコミの翻訳の場合は尚のことでした。
「すでに一部の翻訳にDeepLを使用していましたが、品質と使いやすさの面で特に優れていると感じました」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
Nature Houseのチームは無料版のDeepL翻訳を使用して、ウェブサイトの多言語化を開始しました。最初はチームの第一言語であるオランダ語からの翻訳がほとんどでしたが、その工程は手作業を伴う時間を要するものでした。
それでもローカライゼーションによってNature Housesの需要は近隣国のドイツとベルギーで急増し、事業はドイツに拠点を置くまでに拡大しました。やがて手作業を含む翻訳プロセスでは対応しきれなくなります。予約前に全ての物件詳細を確認できるよう、掲載情報の大規模なローカライゼーションが必要となったからです。
Naebers氏によると、Nature HouseがDeepLのAPIを使用し始めたのはこの頃で、「翻訳の質は確かでした。私たちにとってこれは非常に重要なことでした」と当時を振り返ります。他の選択肢も試した結果、「DeepLの翻訳が最も優れている」ことが明らかになり、DeepL APIが採用されました。さらにDeepL API Proへの移行によって、 利用可能な機能やサービスが増え、DeepLの高い品質に加え、より強固なデータセキュリティー、文字数制限のない翻訳、リクエストの優先対応を利用できるようになりました。
「DeepLで初めてクチコミを翻訳したところ、利用者にもたらす利便性の向上は明らかでした。DeepLをコンテンツのローカライズに使うことで、ドイツとフランスで容易に事業を広げることができました」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
DeepL APIの導入前は、大半のコンテンツが手動でローカライズされていました。そうでない箇所については、サイトの訪問者が翻訳ボタンをクリックするたびにコストがかかっていました。さらに、クリックして生成される翻訳は保存されないため、物件を決めるまでに何度も同じ翻訳が生成されることも多々ありました。DeepLに移行したことで初めて、物件情報とクチコミの翻訳を常時表示できるようになりました。
プロダクトチームはDeepL APIを利用して新たなモデルを構築し、サイト訪問者が一度クチコミを翻訳すると、その翻訳を他の訪問者も読める形態に変更。このオンデマンド翻訳によって翻訳文字数を抑え、APIコストの平準化を可能にしました。クリック課金型翻訳の排除と翻訳の迅速化によって節約できた費用と時間は、新たなプロジェクトや新規市場に充当できるよう になりました。
翻訳を常に表示できるようになったNature Houseは、クリック課金型モデルを廃止することによる、さらなるメリットを発見します。第一に広告のSEOバリューが上昇し、オーナーの掲載物件が検索エンジンで、これまでより遥か上位に表示されるようになりました。加えて、コンテンツを利用者の母語で表示することでエンゲージメント率が向上。Naebers氏によると、DeepL APIによって翻訳を常時表示するようになってから、Nature Houseのサイト直帰率は5%減少し、閲覧時間は13%増加しました。
「DeepLは、SEOバリューをもたらしていなかったGoogleのクリック課金型モデルよりも安価でした」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
人と地球のための持続可能な成長を理念とするNature Houseにとって、導入ソリューションの費用対効果を見極めることは、収益性を維持する上でも重要でした。Naebers氏の推定では、クリック課金型モデルの年間コストはクリックだけで多い時に15,000ユーロ(約245万円)となり、その額はサイトの訪問者数に並行して増加する一方でした。
プロセスの変更にはリスクがつきものですが、Nature Houseの開発チームがDeepL API Proを導入した際には、一回のスプリントで物件情報を翻訳することができました。
「開発者によると、DeepLは統合しやすく、当社のプラットフォームで簡単に使えました」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
Nature Houseは多くの市場で10段階評価を設けており、1が最低評価、10が最高評価を意味します。「自然体験」を1から5段階で評価する項目もあり、ここでも1が最低、5が最高評価となります。ところが中には1を最高、5を最低評価とするのが一般的な国もあります。
この違いは、利用者の誤解を招きかねません。しかしDeepLの翻訳によって文脈も含めてクチコミの内容が容易に理解できるようになったため、利用者が評価 を誤解したという問題は報告されていません。
物件情報とクチコミのローカライゼーションによって多言語表示できる情報が一気に増えたことで、Nature Houseはオーナーとサイト訪問者の両方にとってWin-Winの状況を作り出すことができました。
オーナーは、物件情報を明確な翻訳を通してヨーロッパ各地の利用者に提供できるようになりました。
Nature Houseの予約数と収益性は継続的な伸びを見せており、地域の生物多様性プロジェクトへの年間寄付額も年々増加しています。
「DeepLの翻訳によって、特に評価とクチコミで言語の違いによる誤解を防げるようになりました」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
Nature Houseは、クリック課金型の翻訳モデルから翻訳を常時表示できるDeepL API Proに切り替え、ヨーロッパ事業の拡大を加速させました。ユーザー体験と検索表示順位が大幅に向上し、コスト削減も実現できました。
「DeepLを導入する前は、翻訳に逐一コストがかかっていました。今は翻訳を固定表示させることで、ユーザー体験の向上と同時に、コストと時間の節約 も実現しています」
Nature House プロダクトマネージャー Rick Naebers氏
Nature Houseは物件情報とクチコミの多言語化によって予約増加を実現し、思い出に残る体験作りに貢献しています。一方で、Nature Houseの事業理念は自然環境保護を中核としています。国境や言語の壁を越えて事業拡大を続ける中、Nature Houseはコスト効率に優れたビジネスモデルを採用することで、生物多様性の保全プロジェクトにより多くの資金を提供できるようになりました。
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